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2007年5月 1日 (火)

妄想劇場 ~恋せよ、青年~

  
「そこにいるんでしょ?出てくるでありますよ!」

たった今までここにいたタママは最後まで気付かなかったようだが、ケロロはずっと人の気配に気付いていた。
ケロロ小隊の誰かではない、侵入者の気配に。

「‥‥わかってたっスか」

出てきたのは、水色の若いケロン人だった。

「えーと、確かガルル小隊の‥‥」
「タルルっス」

目の前のタルルは情けない顔で、それでも何とか笑顔を作った。

「タママに会いに来たんじゃないの?声かければよかったのに」
「‥‥邪魔したら悪いかと思って」
「いや、邪魔なんてこと無いでありますよ」
「邪魔っスよ。あんな嬉しそうな師匠見たこと無いっス」
「‥‥見てわかると思うけど、タママはもう帰ったでありますよ。今なら追いつけると思うけど?」
「師匠はたぶん今頃幸せな余韻に浸ってるっス。邪魔したら嫌われるっスよ」

そこまで聞いて、ケロロの瞳に好奇の色が浮かんだ。

「ふうん。ただの熱血小僧かと思ったら、タルル上等兵は思ったよりオトナでありますな」
「大人?とんでもない。オイラ、ただの未熟者っス‥‥」
「未熟者にしちゃ、あきらめが早いでありますな?」

タルルの口が不機嫌にとがる。

「あ、あきらめるだなんて、そんな‥‥」

と、そこまで言って気が付いた。
この人は、オイラの気持ちがわかっているのだろうか?それに師匠の気持ちも?

「‥‥わかっているでありますよ」
全てを見透かしているかのようなケロロの物言いに、タルルは思わずカッとする。

「あなたに何がわかるっスか!あなたは!あなたは‥‥」
「何?」
「師匠のことをどう思ってるっスか‥‥?」

全く動じた様子も無くケロロは笑顔で答える。

「どうって。タママは、我輩を慕ってくれる、優秀で可愛い大切な部下、であります」
「聞きたいのはそんなことじゃないっス!!」

困ったようにケロロはため息をついた。

「じゃあ、何て言えば満足?タママのことが好きだって言えばいいの?」
「それは‥‥」
「自分こそ、タママのことをどう思ってるでありますか?」
「オ、オイラは‥‥師匠のことを尊敬してるっス。いつか、師匠にふさわしい男になりたいっス」

ケロロはくすりと笑い、タルルは自分がひどく間抜けに思えた。

「尊敬、か。タママも同じこと言うんだよね。軍曹さん、尊敬してるです!大好きです!‥‥ってね。そんなこと言われたら、何て答えたらいいでありますか?」

「あんたなんかに、師匠の何が‥‥!」

わかると、いうのか。

一瞬で頭に血が上り、気が付いたら肩で息をしていて、‥‥‥自分の腕の下には緑色の体があった。
ああ、これが俗に言う「押し倒した」って状態だ。
それならこのまま、この人をめちゃくちゃにしてしまおうか。
そんなことをしたって、どうにもならないのはわかっているけれど。

「だって。《尊敬》なら拒絶されないじゃないスか!《愛》なんか伝えて、拒まれたらもうオイラやってけないっスよ!!」

悲鳴にも似た叫びは、しんとした部屋にこだました。

「‥‥タママも、同じかな?」
「きっと、そうっス‥‥」

優しい笑顔でケロロがタルルの頬をなでる。

「最近の若いのは弱虫でありますな。しかも泣き虫だし」
「うっ‥‥」

ほろほろとこぼれる涙を受け止めてくれるこの人は、どうしようもなく優しい。
ちくしょう、ちくしょう、師匠がこの人に惹かれる気持ちがわかりすぎるほどわかる。

「で、どうすんの?この体勢」
「‥‥」
「我輩はタルル上等兵のこと、嫌いじゃないでありますよ?」
「‥‥もったいないけど、やめとくっス」
「おっ、ちょっと男をあげたでありますな」
「そうスか?」
「うん。男をあげるじゃなくて、男にしてあげてもよかったけどね」

笑いながら、ケロロはするりとタルルの腕から抜け出て立ち上がった。

「あなたをひどく傷つけたい気がしたっス」
「うん‥‥」
「でも、もしこのまま無理やり‥‥やっちゃったとしても。たぶんあなたは傷つかなくて。傷ついて泣くのは‥‥‥‥師匠だから」

ケロロはくすくすと笑う。

「やっぱり、タルル上等兵のこと、嫌いじゃないでありますよ?」

「オイラも、軍曹さん‥‥のこと、嫌いじゃないっス。でも、師匠を泣かしたら、殺すっス!」

鼻息荒く宣言したタルルに、ケロロはやれやれと肩をすくめた。

「うちの隊員も相当物騒だけど、ガルル小隊も物騒なヤツばかりでありますな。我輩を殺したら、たぶんタママに殺されちゃうよ?」

「師匠に殺されるなら、本望っス!」

「ああ、本当に物騒であります。‥‥‥‥れ?もう帰るでありますか?」

「帰るっス。このままここにいたら、マジで殺されそうっス」

「え、だって、タママはもう西澤邸に帰ったはずだけど‥‥」

「ケロロ小隊も、物騒なヤツばかりなんでしょ?」

‥‥ああ。うん。そうだね。他にも物騒なのが3人ばかりいるね。各自スタンバってるね。
鋭いね、タルル君。

「じゃ、気をつけて帰るでありますよ。ガルル中尉によろしく‥‥って伝えなくていいや。どうせ秘密で来たんでしょ」
「へへ、そのとおりっス」

頭をかいてタルルは去っていく。
こいつにならタママをやっても悪くないでありますな、とケロロは思う。
ま、本人次第だけどね。我輩知~らない。

その日、ケロロ小隊各員の「やばいやつリスト」に、タルル上等兵の名前が書き加えられた。

FINっス!


初めて押し倒させてみたBLがタルケ口‥‥‥えーと。ドンマイ、ドンマイ!(←?)いやあ、勢いとは恐ろしいものだ。
Mげさんのタルタマにちょっと影響されてるかもしれませんね。(とんだぬれぎぬ!)
何かもう、いろいろすいません、ごめんなさい。これから気をつけます。(2008.9.12)

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