« 妄想劇場 ~再会II (side G66)~ | トップページ | 妄想劇場 ~恋せよ、青年~ »

2007年5月 1日 (火)

妄想劇場 ~君眠る星~

(注)100年後の未来の話。苦手な方はスルー推奨であります。


  
100年ぶりにその惑星を訪れる。
俺を見知る者はもう誰もいない星。
それでも、彼の地の近くを通るのに、立ち寄らぬことなどできなかった。

かつて愛しい日々を過ごした街へ降り立つ。
もはや当時の面影はどこにもないが、それでも少しでも、今はもういない彼女の存在を感じたかった。
  

「あんた誰?」
声をかけてきた、ペコポンの少女。アンチバリアは効かないようだ。

「‥‥驚いたな」
「何が?」
「たった100年の間に、この星の住人もずいぶん地球外生命に免疫ができたらしい」

本当に驚いたのは、そのことではなかった。
この少女の面差しが、どこか彼女を思わせたからだ。

面白そうに少女が笑う。
「ふふふ、そんなことないわ。私は特別。昔から我が家では『いつかカエルに会ったら怖がっちゃダメ。友達になりなさい』って言われてるの」
「友達に‥‥?」
「今日、やっとその意味がわかったけど」

この少女は、もしや‥‥。

「ねえ、あんたの仲間のカエルって皆、赤いの?」
「いや、体の色は皆それぞれだ。赤い者は少ない方だと思う」
「ふうん」

「‥‥君の親類に、夏美という女性が昔いなかっただろうか?」
「ひいおばあちゃんが、その名前よ。私が子供の頃、亡くなっちゃったけど」
「そうか‥‥!」

ああ、この少女は、彼女が幸せな人生を送った証。
今日会えた俺は、何と幸運なことか。

「ひいばあちゃんね、私のこと可愛がってくれたの。昔の自分によく似てるって言ってた」
「ああ、そうだな」
「ちょっとね、変わってたわ。私は大好きだったけど」
「変わってた?」
「夢みたいなこと言うの。私たちが地球を守ったのよ、とか」
「それは本当のことだぞ?」
「‥‥あとね、私にだけ教えてくれたの」

少女が声をひそめる。

「一番大好きな人はひいじいちゃんだけど、それより大好きなカエルがいたって」

少女の言葉に虚をつかれ、何も言えなくなった。

「あんた、ひいばあちゃんの知り合いなんでしょ?」
「‥‥ああ‥‥知ってる。よく、知ってる。‥‥大切な人だった」
「だと思ったわ」

泣き笑いになりながら、俺は言った。
「その大好きなカエルが、赤ガエルだったらいいんだがな」

少女が呆れた顔になる。

「あんた、バカね。私が聞かされた話はいつだって‥‥‥‥赤いカエルのことばかりだったのよ」

FIN



種族の違い以上に、寿命の違いのことを考えると切なくなるギロ夏。
自分で書いてて、 ちょっと泣いちゃった (おバカさん!)
計算あわなくね?とか、何で記憶残ってんの?とか見逃してください。すんません。
これでまた何百年も引きずればいいんだ、赤ガエルめ!(2008.9.5)

« 妄想劇場 ~再会II (side G66)~ | トップページ | 妄想劇場 ~恋せよ、青年~ »

妄想メイツ☆

  • Mosomate

    ケロロ軍曹でいろいろ妄想。楽しいわ~v

    妄想の末に書いたケロロSSはこちら→ 妄想劇場INDEX

WEB CLAP

  • 楽しんでいただけましたら、ぽちっとお願いします↓
    管理人の励みになります。

    久々にお礼画面のSSを更新しました。(2011.8.7)
    ほのぼの(?)クルケ口話。

リンク

  • FW

    HALCYON

    カエルドラッグ

    フェティッシュな生活

    キャラメルボックス

    有色の別室

    サイコロコロ

    Delight-log

    27.3℃

    ケロロえほん

    RED.log


    当サイトのバナーをもげさんが作ってくれました~!Thanks!
    Kerotto

    リンクフリーです。
    URL:http://kerotto-life.cocolog-nifty.com/
    管理人:けろっと
    連絡先:kerottomom☆yahoo.co.jp
     (☆→@) 何かありましたらこちらへ