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2008年4月 6日 (日)

妄想劇場 ~夕べの夢いつもの君~

長い長い真っ暗な道を僕は必死で走っていた。
恐ろしい何かが次々に僕を追いかけてくる。
人なのか、人でないのか。そいつらからは憎しみ、恨み、嘲りといった負の感情だけが伝わってきた。
逃げなくちゃ、逃げなくちゃ・・・でも、どこまで逃げたらいいんだろう・・・。
絶望が襲ってきたその時、懐かしい声が響いた。

「タママ二等、タママ二等、何をやってるでありますか」

不意に横から手が伸びて、僕はその手にひょいと引っ張られると明るい部屋にいた。

「軍曹さん・・・」

明るい場所で、その人はいつものように微笑んでいた。

「タママ二等、あんな暗いところに一人でいちゃダミだよ~」
「軍曹さーん!」

嬉しくて、そばにかけよろうとしたのに、軍曹さんはニコニコしたまま、ギロロ先輩、クルル先輩、ドロロ先輩とどこかへ行ってしまおうとする。

「待ってください、僕もいっしょに行くですぅ~!」

必死で叫んでも、軍曹さんには聞こえないみたいで、やっぱりニコニコしたまま行ってしまう。僕は足が動かない。

涙が出そうになった時、もう一度さっきの手が伸びてきて、すっと僕を抱きかかえた。温かい手。
誰だろう?何故か逆光で、その白い手の持ち主の顔が見えない。
「誰ですぅ?」
その誰かは、僕の質問には答えずに、そっと耳元でささやいた。


「タマちゃん、ラブラブ・・・」


うぅぎゃあああぁぁああぁ!!

―――僕は、自分の悲鳴で目が覚めた。

あ、あの女だった・・・。

「どうしたっ、タマ公!」
「タママ殿、何かあったのですか!」

心配そうに飛び込んできたももっちとポールを、ただの夢だから大丈夫だと追い返した。
悪夢だ。何で、あの女が夢にまで・・・。


☆☆☆


侵略会議はいつものように進む。
軍曹さんはいつものように思いつきとしか思えない侵略作戦をぶちあげる。

ギロロ先輩はいつものように「そんな馬鹿げた作戦が成功するかっ!」と軍曹さんにつめよって・・・そしていつものように真っ先に丸め込まれる。
この人は軍曹さんに弱いから。

クルル先輩はいつものように「俺には関係ないぜぇ~」って顔してるくせに、実はもう軍曹さんの要望どおりかそれ以上に余計なこだわり満載の作戦準備を完了してるんだ。
この人は軍曹さんに甘いから。

いつものように影の薄いドロロ先輩はいつものように「拙者そのような作戦は感心せぬでござる」とかぬるいことを言って、いつものように無視される。・・・・けど、軍曹さんがピンチになれば必ず現れるんだ。
この人は軍曹さんが大好きだから。

そして勿論僕はいつものように「さすが軍曹さんですぅ!」と真っ先に軍曹さんに賛成する。
・・・そうだ、真っ先に賛成して軍曹さんと行動をともにするのは僕のはずなんだ。

なのに、何であの女が「さすがおじさま!てゆーか一挙両得?」なんて言いながら、軍曹さんの隣りで拍手なんてしてるんだ?
そこは僕の場所だ。軍曹さんは、僕の上官なんだ。
おまえなんか、もともとケロロ小隊の隊員でもないじゃないか。
おまえのいる場所は、おまえのいる場所は・・・・

「そこじゃねぇですぅ~!!」

しまった、思わず口に出てしまった。
あの女がゆっくりこちらに顔を向ける。

「ね、この作戦なら成功間違いなしですよね、タママさん」
「そんなこと言われなくてもわかってるですぅ~」
「タママさんのミッションがポイントですよね。てゆーか獅子奮迅?」

ああ、チクショウ。そんな目で僕を見るな。そんな目で見られると、僕は自分のちっぽけさに耐えられなくなる。

「タママさん?」

返事も無く、黒いオーラをまとった僕を、あの女は無遠慮に見つめ、そして僕の目の前で不思議そうに手をひらひらとさせた。

白い手。夕べの夢。
あれは夢だ。ただの夢だ。
あの女の顔がどんどん近付いてきて、何かを告げようとする。

「どうかしましたか?」

瞬間、僕はあの女を思い切り突き飛ばしていた。
「寄るな、さわるなですぅ~!!!」

しりもちをついたあの女は、ぽかんとこちらを見ている。
あの女だけじゃない、皆の責めるような視線が僕につきささる。

「おい・・・やりすぎだぞ。どうしたんだ?」
「タママ殿、具合でも悪いのでござるか・・・?」
「タママ二等・・・女の子いじめちゃ、ダミだよ~」
「くくーっ」

「僕は・・・」
わかってる、今のは僕が悪い。一言謝れば済むことだ。

「ご・・・」
「おじさま、モアは全然痛くないですし、怪我もありませんよ?だからタママさん、気にしないでくださいね」
「モア殿は優しいでありますな~」

ごめんですぅ~。そのたった一言を封じられて、いよいよいたたまれない。

「・・・僕のせいじゃないですぅ!」
心とは裏腹な捨て台詞で、僕はその場を逃げ出した。

「ちょっと、タママ!タママ二等!」
「軍曹さんは僕なんかに用は無いんですぅ~。夢でも冷たかったですぅ~」
「ゲロ・・・夢?」

「タママ・インパクトーーー!!」

自分でも何を言ってるのか、わけがわからなくなって、タママ・インパクトでそのへんのものを吹き飛ばして逃げた。
もしかしてもしかすると軍曹さんもちょこっと吹き飛んだかもしれない。
「軍曹さん、ごめんですぅ・・・!」


☆☆☆


―――若手兵士ノ想定外暴発ニヨリ今回ノ侵略作戦ハ一時中断セリ。

そのへんのもの(ギロロ伍長、クルル曹長、ドロロ兵長、作戦に必要なメカ)は当面再起不能。

「おじさま、大丈夫ですか?」
一人無傷のモアがケロロを抱き起こす。

「モア殿・・・」
ズタボロのアフロ状態ではあるが、どうにかケロロは無事である。

「おじさまをこんな目に合わせるなんて・・・いくらタママさんでも許せません!こうなったら皆まとめて、ハルマゲド・・・!」

「ちょっと待ったー!」
もれなくまとまるのが嫌なケロロが、慌ててモアを止める。

「モア殿っ、我輩は全然痛くないでありますし、怪我もないであります!」

「おじさま、ご無事だったんですね!・・・てゆーか、元気溌剌?」

「もちコース!で、あります。だ、だから、ハルマゲドンは無しね?無しね?」

「はい、わかりました!」

笑顔でルシファースピアを引っ込めるモアに、珍しくケロロは真面目な顔を向けた。

「モア殿。その・・・タママ二等はまだ若いし、自分をコントロールできない時がたま~にあるのであります。でもタママはさ、本当にいつでも一生懸命ないいヤツだから・・・許してやってほしいであります。タママを嫌わないでやって、ね?」

「おじさま・・・勿論です!モアは、タママさんが大好きですから。嫌ったりしません」

「モア殿は、優しいでありますな。いつでも・・・誰にでも・・・」

「本当にモアはケロロ小隊の皆さんが大好きなんです。それにタママさんは特別です」

「ゲロ・・・特別・・・?タママが・・・?」
モアの意外な答えに、ケロロは少々驚いた。

「モアは、星の断罪者・アンゴル族ですから。他の種族の皆さんからは、同盟種族であっても、怖がられたり、利用されたりすることが多いんです。でも、おじさまやケロロ小隊の皆さんは、普通にモアを受け入れてくれました」

「ああ・・・うん・・・」

「中でもタママさんは、モアのことを『ライバル』って言ってくれて。鋭いアドバイスもくれたりして。こんなの初めてです。タママさんは絶対モアのことを怖がらないし、何か壊してって頼むこともないんですよ。だから特別なんです」

実に嬉しげに微笑むモアに、ちょっとケロロは打ちのめされる。
そっか・・・そんなふうに思ってたんだ。
「えと・・・その・・・ごめんね、モア殿。我輩、いつもいつもイロイロ頼んじゃって・・・」

「いいんです!いいんですよ、おじさま!モアはおじさまや小隊の皆さんのお役に立てることが本当に嬉しいんです。おじさまのためなら何だってします!おじさまはモアの大切な人ですから。いつでも何でも頼んでくださいね♪」

「ありがと・・・モア殿」

「おじさま、タママさんの様子見に行ってあげてください」

「いや、何となくモア殿が行った方がいいような気がするであります」

「え?モアでいいんですか?」

「うん、頼むであります」

ルシファースピアに乗り、モアが去ってしまうと、ケロロはため息をついた。

我輩は、モア殿の気持ちはわかっているつもりでいた。
タママ二等の気持ちも、何となくわかっているつもりでいた。
でも、本当はな~んもわかってなかったのかもしれない。

「やれやれ、我輩もしばらくは再起不能であります・・・」
ごろり寝転がって、ケロロはそのまま目を閉じた。


FIN



タマモア&ケロロ。
呼び方は「タマちゃん」か「タママさん」かで悩んで、一応「タママさん」に。
タマモア好きだけど、あまりにマイナーだと思ってましたが、劇ケロ3見たら、そうでもないじゃない?
カップルまでいかないけど、この組合せ好きです。もてもて軍曹さんをいつか卒業できるのはこの二人じゃないかと思ったりね。(2008.4.6)

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コメント

こんばんはー。
イイですね!タマモア!(盲点?)
フォローに回っている軍曹さんも普通の隊長っぽくて素敵ですv

もげさん、ありがとうございます。
うん、今一人でプチ・タマモアブームだから。
盲点つか、本当にマイナーですよね(^^;)
「タマモア」で検索すると、カエルサイトより先に競走馬の情報拾うくらいよw
たぶんギロ・クル・ドロはとっくに復活してるんだけど、ケロロに付き合って
もうしばらく寝てるんじゃないかと思います(無駄な脳内設定)

また、コメント書きます。ギロロです。
タママとモアは、なかなかいいコンビだと思います。
なんだか、深いですね・・・。

こんち☆であります

タママインパクト及び、ハルマゲドンに
その辺のものwとまとめて吹き飛ばされる
「軍曹さん(おじさま)」が好きなので
このSSは萌えまくりであります♪

タマモア。。。
永遠のライバル?!もしくは永遠の三角関係?!なのでしょうかね???
父上曰く
「タママくん。男同士はでけんばい!!」
だからなぁ・・・

>ギロロさん

こんばんは。コメントありがとうございます。
単なる思い付きSSなので、深いってほど深くないのですが(笑)
楽しんでいただけたなら嬉しいです。
タママとモア、いいコンビですよね。
ケロロがいるからこそいいコンビって気もするし、ケロロぬきなら実は普通に仲良かったのかもって気もするし、微妙なとこですが。


>ひろろちゃん

軍曹さん好きのひろろちゃんに萌えていただき、嬉しいであります。
タママとモア、面白いんだよね。
二人とも、誰より軍曹さん(おじさま)ラブラブなのに、妙にケロロにきつかったりして。
意外と似たもの同士で、確かに永遠のライバルっぽい。
ケロロもこの二人にはあれだけラブラブアピールされてるのに、華麗にのらくらかわしてるのが「大人」で、そんな軍曹さんもいかすと思うのv

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