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2008年4月12日 (土)

妄想劇場 ~ラボでの出来事(2)~

最初から「アノスバラシイハダヲモウイチドラッグ」などありはしない。
いや、あるにはあるが全くの実験段階で、その効果は気休め程度だ。

クルルはそっとプルルの頬に触り、完全に意識を失っていることを確認した。
これで、いい。

クルルが欲しかったのは、A級侵略者にだけ許されたアホトロン・フォームのコンプリートデータである。
それに近いスーツはクルルも作ってはいたが、ケロン軍の最先端技術による生体恋化の詳細情報は全て手に入れたかった。

とりあえず、アホトロン・フォーム装着前、変身中、装着後のデータは先ほど一通り収集することが出来た。本人の協力があったから、身体組織のスキャンまでもだ。

「あとは・・・ちょっくら脳内をのぞかせてもらうぜぇ」

何のためらいもなくソウルダイバーを使い、クルルはプルルの記憶に入っていった。



「プールルちゃーん!」

まぬけな幼い声がこの女を呼んでいる。あれはきっと・・・。
声のする方に目をやれば、まだ尻尾のついた隊長とプルル看護長が仲良さそうにいっしょに遊んでいる姿が見えた。すぐに幼いギロロ先輩とドロロ先輩も現れ、4人はバカみたいに笑っている。そうか、こいつら幼なじみだ。
クルルは一瞬、嫉妬のような感情を覚えたが、それが何に対するものなのかわからなかった。
・・・くだらない記憶だ。俺の見たいものはそんなんじゃない。

アホトロン・フォームに関する記憶部分はすぐに見つかった。

「ふん、なるほどな。装着と解除の条件付けはこうなってるのか。面白い。ま、俺様が作る時にはこだわりのアレンジを加えるけどな。くくーっ」

さてと・・・知りたい情報は手に入れたし、長居は無用だな。
いや、A級侵略者様の記憶をもうちっと覗いてからにするか?ガルル中尉はともかく、この女がA級扱いの理由が今一つわからねえからな。
入隊後の経歴を見る限り、俺達ほどの戦場をくぐったとは思えねえ。看護兵としての腕は確かだし度胸もあるが、それだけなのか?


プルルの記憶世界を歩き続けると、どこかで泣いている声がした。

「ひ・・・っく、ひっく、う・・・うぅ・・・」

懸命に声を殺して泣いているのは、まだ少女の姿のプルルだった。
・・・何が、A級侵略者だよ。こいつの本質は、泣き虫の「オンナノコ」じゃねえか。

「何、泣いてやがんだ」
クルルのつぶやきに、プルルは驚いたように顔を上げた。
「誰・・・?」

ちっ、しまった。ソウルダイバーの干渉モードをOFFにするのを忘れた。
思わず舌打ちが出る。
今回は完全に記憶を覗き見るだけで、記憶干渉する気はさらさら無かったのに。
まあいい。こいつが目覚めた時にこの記憶を残さなければいいんだ。

「うるせえな、ガキ。誰でもいいだろ。てめぇ何で泣いてやがるんだよ」
見る見るうちに、プルルの瞳にまた涙が盛り上がってきて、そして彼女は黙って向こうを指差した。

おいおい・・・嘘だろ。

プルルの指差した先に広がる光景。それは血塗られた戦場だった。
屍が累々と積み重なり、皆一様に苦悶の表情を浮かべたまま息絶えている。
これが、こいつの記憶?いつのだ?
データ上はプルル看護長がこれほど大規模な犠牲者を生む戦闘に参加した記録は無かったはずだ。
入隊前?それとも公式記録に残せない戦闘?

「私・・・何もできなかった。誰のことも、助けられなかったの」
大きな瞳から、後から後から涙がこぼれる。

「仕方ねえだろ、この状況であんたに何ができるっていうんだ」
「私に、もっと力があれば・・・」
「あんたに軍は似合わねえよ。良い子は帰ってOLやってな」

だが少女は首を振った。涙はこらえて。

「もう同じ思いはしたくない。絶対に。次は必ず助けるの。大切な人の命を救ってみせる。助けられなかったのと同じだけの命を、きっとつなぎとめるから」

クルルは絶句した。何てガキだ・・・。

「ねえ、お兄ちゃんも怪我してるの?見せて、私が治療してあげるよ?」
「はぁ?俺かよ!いらねえよ。俺様のどこに怪我があるっていうんだ?」
「でもさっき、とても痛そうな顔してたもん。見えないところに傷があるかと思った」
「・・・俺の傷はもう治ったんだ。だから、いいんだよ」
「そっか、良かった」

さっきまで泣いていたくせに、花のように笑う。ふん、訳わかんねえ女。

「じゃあな。・・・無理すんなよ」
「うんっ、お兄ちゃんもね」

これ以上ここにいたら、とりこまれる。
クルルは早々にプルルの記憶世界から退散することにした。



実世界に戻ると、プルルは何も知らずに安らかに眠っていた。
傍らでクルルがぽつりとつぶやく。
「怖ぇ女・・・」

プルルが目を覚ました時、クルルは無言でデータ分析を行っていた。

「クルル曹長・・・」
「起きたか。悪ぃな、言い忘れたがあの薬にはどうしても睡眠誘発作用があるんだよ」
「それで、その・・・実験の結果は?」
「今まとまったところだが・・・残念ながら目に見える効果は無かったぜぇ」
「えーっ?」
「データ上、多少は数値が上がったが、誤差の範囲内だ。薬の効果とは言い切れない」

「ちょっと!あれだけやらせといて、そんな結果?」
「くくーっ、それが科学のツライとこだ。ま・・・あんたのせいかもしれないぜぇ」
「私のせいですって!どういう意味よ!」

「データを見る限り、あんたの肌年齢は実年齢よりかなり若い。もともとの細胞年齢が若いから、効果が見えにくいんだ」
「もともとが若いから・・・」
「まあな」
「ふ、ふうん・・・そうなんだ・・・なら仕方ないわね」
プルルの怒りがすーっと引いていくのが見えるようだった。ちょろいもんだ。

「ま、それでも助かった。感謝するぜえ」
「クルル曹長が素直にお礼なんて言うと、妙な感じね」
「たまにはな。くくーーっ」

あんたが思ってる以上に貢献してもらったからな。
立ち去るプルル看護長を、クルルはこれまでとは違う気持ちで見つめた。

A級侵略者・・・か。

まあ俺には関係ないこった。
さて、アホトロン・フォームの「俺様版」の作成でも始めるか?

クルルズラボは、今夜も眠らないようだった。


FIN



まさかのクルプル。またはプルル最強伝説第二章。可能性は無限大∞
何かと捏造設定ですみません。
5thでプルルの出番は減るのかもしれないので、今のうちにUP。
(2008.4.13)

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コメント

クルプル・・・ですか!?
新しいですね

ギロロさん、読んでくださってありがとうございます。
新しいというか、まあ珍しいと思います。
でも思いついちゃったらとりあえず書くので、こんなこともあります

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