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2008年6月11日 (水)

妄想劇場 ~弟と友人と私~

「今日さ、学校のあとケロロがうちに遊びにくるんだ!」
「そうか、ケロロ君が。仲良く遊べよ」
「勿論!」

いつだって「兄ちゃん、兄ちゃん」と俺の後ばかり追いかけてきた弟のギロロが、最近ほんの少し兄離れしたような気がする。
たぶん、よい友人ができたからだろう。
近頃のギロロの会話は「ケロロが、ケロロが」ばかりだ。よほど気の合う子なのだろう。
幼い弟は少しずつ「自分の世界」を持ち始め、だんだんと「男」の顔になっていく。まあ、まだまだ尻尾つきではあるが。

「こんにちはー!」
「おー、ケロロ!俺の部屋でゲームやろうぜ!」
黒い瞳をくりくりさせて人懐っこい笑顔を浮かべる弟の友人は、あっという間にギロロの部屋に消えていった。
ふむ。あとでおやつでも持っていってやるか。

紅茶とお菓子を用意して、ガルルはギロロの部屋へ向かう。
ノックしようとしたその時だ。

「でさー、ギロロは誰が好きなの?」

ゲームするんじゃなかったのか?何の話をしているんだ?
弟達の会話が耳にとびこんできて、ガルルはついノックのタイミングを失った。

「俺が一番好きなのはガルル兄ちゃんだよ。かっこいいだろ?俺も今に兄ちゃんみたいに強くなるんだ」

(ギロロ、よく言ってくれた!俺はお前のような弟を持って幸せだ!)

「ヘー、兄ちゃんか。確かにギロロの兄ちゃんはすげえ強そうだな」
「だろ?」

満足げにうんうんと頷くガルルはすでに当初の目的を見失っている。完全に立聞き体勢だ。

「じゃさ、そーゆー家族じゃなくてさ、クラスで一番好きなヤツは?」
「クラスで‥‥?うーん、やっぱりケロロやゼロロといるのが一番好きだけど」
「俺?ゼロロ?」

(うーむ、ケロロ君は少々独占欲が強いようだな)

「まあ、お前が一番面白いからな」
「へへ」
「‥‥そういうお前はどうなんだよ。誰が好きなんだ?」

(そうだ、ギロロ!お前も聞いてやれ!)

「やーっぱさー、うちのクラスで一番可愛いのはプルルちゃんだと思わね?」
「なっ‥‥女子の話かよ!」
「プルルちゃんに怒られるの、俺ちょっと好きなんだよねー」
「お前なあ」

(うおお、そうか。考えてみればギロロももう女の子に興味を持ってもおかしくない年頃だな。し、しかしケロロ君に影響されて早熟になるのはマズイな)

弟と友人の会話の一言一言に反応してあたふたしているうちに、気が付けば紅茶は冷めきっていた。
いかんいかんとガルルは紅茶を入れ直しにキッチンに戻る。
たかが子供の会話じゃないか。気にしちゃダメだ。
今度は、何を聞こうとそのままノックして部屋に入っておやつだけ置いてくるんだ。振り回されちゃいかん。

兄のそんな決意は、再び弟の部屋の扉の前に来た瞬間、もろくも崩れさる。

「なー、ギロロ。キスってしたことある?」

(ケケケッ、ケロロ君!うちのギロロは純なんだ!いきなりヘビーな話はやめてくれ!)

「無い!無いよ!お前、急に何言い出すんだよ!」
「だよねー」
「ケロロはしたことあるのかよ‥‥キス」
「いんや、俺も無いけど」
「じゃあ、なっ、何でそんな話‥‥」

(見ろ!動揺してるじゃないか!どうしてくれるんだケロロ君!)

「テレビで見たんだけどさ。キスの感触ってマシュマロみたいなんだって」
「マシュマロ‥‥」

ギロロがごくりと唾を飲み込む音まで聞こえた気がして、ガルルの緊張も高まる。

「試して、みよっか?」

あっけないほどのケロロの誘いの言葉に、ガルルは気が遠くなった。
(ケロロ君!き、君って子は!ギロロ断れ、断るんだ!それはイケナイ道だ!)

「今、ここでかよ?」
「うん。ギロロといっしょなら何か笑い話になりそうじゃん?」

(笑い話にならん!笑えないから!)

「まあ、いいけど」

(よくない!よくないぞ、ギロロ!)

「よっしゃ。あのね、キスの間は目つぶるんだぜ。目あけんなよ」
「わかった。確かに、目をあけたままじゃ間抜けな感じだし、ケロロの顔見たら俺絶対笑っちゃうよ」
「でしょ?」
「つか、お前裏切って一人で目あけんなよ」
「わかってるよ!んじゃ、せーの!で目をつぶって、いくよ?」

「せーの!!」

バタンとドアが開く。

「ちょっと待ったあああ!ききき君達にはそれはまだ早いっ!兄ちゃんだってまだ‥‥」


その時、兄の目に入った光景は。
唇をつきだし、今にもそれぞれ手に持ったマシュマロに口付けようとする、ギロロとケロロの姿だった。

(試すって、マシュマロか!)

「な、何で勝手に入ってくるんだよ、兄ちゃん!ノックくらいしろよ!」
間抜けな姿を見られた弟は、マシュマロを握りしめたまま怒りで真っ赤になっている。

「ギロロの兄ちゃんて、まだなの?」
人懐っこい弟の友人は、無邪気にキツイ質問を投げかける。

ガルルが転がり込んだ拍子に、先程までテーブルに載っていたであろうマシュマロが、部屋中にばらまかれていた。
ああ、これは確か先日ゼロロ君にもらったとかいう高級「宇宙マシュマロ」だと、ガルルはぼんやり考えた。

「だいたい、何しに来たんだよ、兄ちゃん!」
「お茶とお菓子をケロロ君にと‥‥」
「じゃあ、それ置いてさっさと出てってくれよ!」
「ギロロ、お前、兄ちゃんに向かって何て口の聞き方を!」
「ねえねえ、ギロロの兄ちゃんて、まだなの?」

しんと静まりかえる部屋。
恐ろしい‥‥恐ろしい子だ、ケロロ君。
ガルルは疲れ果てた様子で立ち上がる。

「ケロロ君、驚かせてすまなかったね。ゆっくりしていってくれたまえ。それと」
「それと?」
「まだ、じゃない!」

金の瞳でひとにらみすると、ガルルは静かに出て行った。

「やっべー、お前の兄ちゃん、こえぇー!」

(怖いのは君だよ、ケロロ君)
ドアの外でガルルは、深い、深いため息をついた。

それは、ギロロが反抗期を迎える、ほんの少し前のお話。


FIN



「カエル注意報」のもげさんに贈ったプレゼント小話。
何かもうどこからつっこんでいいかわからないような仕上がりに!
ぶうさんとコラボさせてもらったので、「カエル注意報」ではぶうさんの素敵イラストが拝めます。すごい可愛いの!(2008.6.11)

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コメント

はじめまして!
ガルルの焦りっぷりがすごくおもしろかったです^^
ありがとうございます!!

>まくらさん

はじめまして。うわー、こちらこそありがとうございます!
実際はあまりあせる姿なんて見せないガルルですが、私が書くとこんなことに・・・!
楽しんでいただけて、すごく嬉しいです。
お返事遅くなってごめんなさい。
よかったら、また覗いてやってください(^_^)/

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