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2008年12月 6日 (土)

妄想劇場 ~執事と聖夜と優しい奴ら~

「そういえば、ポールって家族はいるですかぁ?」
「ポールの家族?」

桃華とタママの二人は、今年のクリスマスの予定について話をしていた。

「モモッチは、今年のクリスマスはどうするですぅ?」
「そうね、できることなら、冬樹くんと二人きりのロマンチックなイブを過ごしたいけど‥‥現実はまた屋敷でパーティーでしょうね。冬樹くんも、誘ってはみるけど」
「やっぱり、ペコポンのクリスマスは好きな人と過ごすものですかぁ?」
「うふふ、好きな人と過ごすクリスマスは女の子の憧れよね。でも、本来のクリスマスは家族で過ごすものらしいですわ」

「家族」 その言葉に、タママはふっと冒頭の疑問が浮かんだのだ。
あの、私生活の全てが謎の男、ポールに家族はいるのだろうか?

「そういえば、ポールって家族はいるですかぁ?」

タママの質問に、桃華は首をかしげた。

「ポールの家族?‥‥そうねえ。ちゃんと聞いたことはないけど、たぶん、いないんじゃないかしら?」
「ああ、何かそんな感じですぅ」
「若い頃はストリートファイターだったそうですし、お父様に敗れて西澤家に仕えるようになってからは仕事一筋ですもの‥‥」
「モモッチ?どうしたですぅ?」

急に元気をなくした桃華を、タママは心配そうに見上げる。

「タマちゃん、どうして私、今まで気付かなかったのかしら。ポールはいつだって西澤家のために、私のために一生懸命で、自分のことなんか二の次で。きっともう何十年も、家族でクリスマスを過ごしたことなんてない‥‥」
「でもそれは、モモッチのせいじゃないですぅ」
「いいえ、私のせいですわ。私には、留守がちとはいえ優しいお父様がいてお母様がいて‥‥そして二人がいない時もポールを始めとするお屋敷の皆がいつでもそばにいてくれた。今はこうしてタマちゃんがいて、片想いだけど冬樹くんとも親しくなれて‥‥」
「モモッチ‥‥」
「でも、ポールは?いつでも私の世話ばかり。仕事優先で、自分の時間も無くて‥‥」

うつむく桃華にタママは慌てた。
まさかの地雷を踏んじまったですぅ。ポールなんか仕事大好き人間なんだから、ほっときゃいいってのに。

「モモッチ、考えすぎですぅ。ポールはあれで満足してるですぅ!」
「ですけど‥‥」

じゃきーん。次の瞬間、桃華の表情が変わった。

『ったく、世話が焼けるぜ、表はよぉ?』
「あなただって、ポールに申し訳ないとは思いませんの?!」
『フン、よーするに、今年のクリスマスはポールの野郎にたっぷり礼をしてやりゃいいんだろ』
「礼って言っても、どうすれば‥‥」
『だーから!それをこれから調査するんだろ!!ぐじぐじしてんじゃねえ!』
「そうね、クリスマスにはポールを喜ばせるよう頑張りますわ‥‥って、いったいどうやって調査を?」

表桃華と裏桃華の掛け合いを、ああ、まただよとタママは見つめていた。
くるりと桃華が振り返る。

『おい、タマ公?なーに、ばっくれてんだよ!もちろん、手伝ってもらうからな!』
「は、はいですぅ!」

   


   

「まあ、私、こんなに小さなお住まいにお邪魔するのは初めてですわ」
「さっすが伍長さん!いい感じの庶民的狭さですぅ」

ここは日向家中庭。‥‥に設置された、ギロロ伍長専用野営テントの中。

「おまえら二人が図々しく入り込んできたから狭いんだよ!何なんだよ、おまえらはっ!」

怒鳴られようが、二人はけろりとしたものだ。

「ギロロさんに、ちょっとお聞きしたいことがありまして」
「伍長さん、相談にのってほしいですぅ」
「俺に?」

珍しいこともあるもんだ。
こいつらが、冬樹とケロロ以外を訪ねてくることなど、滅多にあるもんじゃない。

「で? 何の用なんだ?」

まあいい。とっとと用件を聞き出して、こいつらを外に出そう。酸素が薄くなる。

「実は、ポールのことですの」
「ポール?そういや、今日はついてきてないのか?」
「勿論そのへんにいるはずですわ。ポールに聞かれたくなくて、このテントに入り込みましたの」
「伍長さんをポールの友達と見込んでいろいろ教えてほしいですぅ」
「‥‥友達になった覚えはまるきり一切無いんだが?」

(ちょっと、タマちゃん!ギロロさんはポールのお友達じゃなかったの?)
(うーん、確か以前、雪合戦の時に意気投合したはずなんですぅ~)

「おまえら、この狭い空間でこそこそ話すな。丸聞こえだ」
「てへ。ともかく友達かどうかなんてどーでもいいから、ポールについて知ってることを洗いざらい話すですぅ~」
「どうせ大したことは知らんから話してやってもいいが、一応、訳を言え!訳を!」
「実は‥‥」

「‥‥というわけですぅ」
「なるほど。要するに西澤桃華は、いつも世話になってるポールに恩返しをしたいというわけだな?」
「ええ、いつも仕事一筋のポールのクリスマスを、素敵なものにしたいんですの」

ふむ、とギロロは腕を組んだ。

「そういうことなら、協力するのはやぶさかでないが、俺は本当に大したことは知らんぞ? 貴様の父の西澤梅雄にでも聞いた方がいいんじゃないか?」

桃華は困った顔になる。

「勿論、お父様に相談することも考えましたわ。でも、お父様は何でも大袈裟にしますの。こんなこと相談したら大騒ぎですわ。変に気を回して、またポールと勝負だとか言い出しかねませんもの」
「ああ、ありそうですぅ~」
「ならば、西澤家の親衛隊はどうだ?奴らなら、ポールといっしょにいる時間も長い。吉岡ナンタラにでも聞けばいいではないか」
「実はもう聞いたですぅ~」

で?とギロロが先を促すと、タママはため息をついた。

「親衛隊のメンバーでさえ、ポールのプライベートは知らなかったですぅ。わかったのは、ポールがめちゃめちゃ強いってことと、お嬢様命ってことだけですぅ」
「そりゃ聞かなくてもわかるだろ」
「それで、藁にもすがる思いで伍長さんのところに来たんですぅ。たしか雪合戦の後、友情芽生えた風だったなと思って」
「ああ、雪上訓練の時か」

『おい。いいから、知ってること話せや、オッサン!』
「ちょっと!そんな言い方‥‥お願いします、ギロロさん」

表桃華・裏桃華に促され、しぶしぶギロロは語り始めた。

「俺が知ってるポール森山という男は、まず西澤家の執事だ。西澤家、特に西澤桃華のためなら、どんな任務も厭わない。プロ中のプロ、ともいえるが、アホ中のアホ、ともいえる」
「鋭い分析ですぅ~」
「特筆すべきは、その高い戦闘能力だ。あいつと闘っていると、俺も戦闘意欲を掻き立てられる。戦争中に南方戦線で戦ったり、北方で雪の中の持久戦を戦ったりしたこともあるそうだぞ」
「ポールにそんな過去が‥‥」
「ストリートファイトだけじゃなかったですぅ~」
「そんな男が一生の仕事として選んだのが、西澤家に仕え、西澤家を守ることだ。あいつはあれで満足してると俺は思う。特別な礼など、いらんのじゃないか?」
『それじゃあ、結局いつもと同じなんだよっ!俺のせいで、仕事以外の趣味の一つも無いのかと思うと、俺は‥‥俺は‥‥』

表ならともかく、裏桃華にしんみりされると、ギロロもあせる。

「いや、その、何だ!別に仕事だけってわけでもないと思うぞ? そ、そうだ!スナック~とかもたまには行ったりしてるらしいから、遊んでないわけじゃない!気にするな!」

「スナック~?」

「‥‥ってどんなとこですぅ?」
「俺もよく知らんが、ママがいて酒が出る、大人の社交場ということだ」
「うわー、初めてポールのプライベートが垣間見えたですぅ」
「では、そのスナック~のママという方にお聞きすれば、ポールの喜ぶプレゼントもわかるかもしれませんわね!」
「モモッチ、冴えてるですぅ。伍長さん、そのスナック~はどこにあるですか?」
「そこまで俺が知るか!」

   


   

「スナック『あけみ』 だぜぇ~」

ここはケロロ小隊秘密基地内、クルルズラボ。

桃華、タママ、ギロロは、ポール行きつけのスナック~の情報を知っていそうな人物、クルル曹長を訪ねて、ここまでやってきたのだ。

「くくーっ、こりゃまた珍しい組み合わせだねえ」
「お願いします、クルルさん!ポールが行ってるスナック~がどこか、教えてください!」
「情報料は払えるのかーい?」
「払えません!」

思いがけない桃華の言葉に、クルルはメガネにピシッとひびが入る。

「‥‥何だって?」
「私のお金を動かすと、ポールにばれてしまいます。ですから、払えません!」
「マジかよ。‥‥ったく」

ちっ、と舌打ちしながらも、クルルはあっという間にポール行きつけのスナック「あけみ」の詳細なデータを用意した。

「そらよ」
「あ、ありがとうございます!」
「クルル先輩ありがとうですぅ!」

クルルはいつものとおり、嫌な笑いを浮かべた。

「しょーがねえな、ギロロ先輩、アンタに千円つけとくぜぇ?」
「タママじゃないのかよ!」
「クルル先輩、心優しいですぅ」

ここで一同は、あることに気が付いた。

「ところで、誰がこのスナック~に調査に行くですかぁ」
「女子中学生が入るような場所でないことは確かだな」
「どっちかってーと、オッサンどものテリトリーだぜぇ」
「オッサン、ていうとやっぱり‥‥」
「ですわよねえ‥‥」

皆の視線が、赤に集まる。

「やめろ!こっち見るな!俺は酒の出る場所なんか嫌いなんだよ!!」

「お客さん、このお店、初めてですよね?」
「あ、ああ‥‥」

スナック「あけみ」で、ペコポン人スーツ着用のギロロ伍長は冷や汗をかいていた。
酒の匂いがたまらない。

「何、飲みます?」
「う‥‥ウーロン茶」

年齢不詳の美人のママは、にっこりとウーロン茶を差し出した。
明らかに不自然なこの赤い客にも顔色一つ変えない。さすがポール森山行きつけの店である。

「お客さん、お酒苦手なのね。どうしてこちらにいらしたの?」
「実は‥‥この男について、聞きたいことがあるんだ」

ポールの写真を見せると、彼女はすまして言った。

「さあ‥‥知らない方ねえ。知ってても、お客様のことは他人に話しませんけど」
「フン、貴様もプロだな。では、知らなくてもいい。相談にのってくれ」
「相談?」
「この男にとても世話になっている娘が、クリスマスにこの男に感謝をこめてプレゼントをしたいそうだ。何を贈ったら、喜ぶと思う?」

美人のママは初めて表情を変え、くすりと笑った。

「‥‥何でも」
「何でも?」
「きっとこの人にとって、その女の子は何より大切なものだから。何を贈っても、喜ぶはずよ。ありがとうの一言でも」

ギロロはため息をついた。

「ああ、そうだな。何でそんな当たり前のことに気付かなかったんだろうな」

   


   

「以上が、俺の調査結果だ」

ここは日向家中庭・ギロロ伍長専用テント内、再び。

「西澤桃華、貴様が用意するものなら、ポールは何でも喜ぶだろう」
「言われてみれば、全くそのとおりですぅ~」
『だっ、でもっ、それじゃあ、結局俺はどうしたらいいってんだよ!』
「それは自分で考えろ」

ふりだしに戻る。

「そうだ、モモッチ!フッキーに相談したらどうですか?」
「冬樹くんに?」
「いっしょにプレゼントを選んでもらえば、デートもできて一石二鳥ですぅ」
「タマちゃん!ナイスアイデアよ!」

日向夏美は、ふと庭先のテントが目に入り、ギョッとした。
テントの入口から、地球人らしい女の下半身が出てきたからだ。

(だっ‥‥誰? モアちゃん? あの、いかにも狭そうなテントに?)

やがて、もぞもぞと出てきたのは、あまりに意外な人物だった。

「桃華ちゃん?」

ギロロと桃華。どう考えても大した接点はなさそうだ。
テントに遊びに来るほど、いつの間に親しくなったのだろう。
続いて、タママとギロロが出てきて、夏美は幾分ホッとする。

(タママがいるなら、まあ納得‥‥いや、タママもボケガエルじゃなくてギロロのところに行くなんて珍しいわね)

「ありがとうございました、ギロロさん」
「いや‥‥結果としては、そう役に立ったとも言えんが」
「あ、ナッチーだ。おーい、ナッチー!今日はフッキーはいるですかぁ?」

こちらに気付いたタママに、不意に手を振られ、夏美はどきりとした。

「う、うん。冬樹なら部屋にいるわよ。呼んでこようか?」
「お願いします!私、冬樹くんに相談があって‥‥」

やがて、桃華とタママは冬樹の部屋に行き、後には夏美とギロロが残された。

「‥‥桃華ちゃんとタママがアンタのテントに来るなんて、珍しいわね」
「まあな。今回は特別だ」
「何よ、特別って?」
「実はな‥‥」

寒そうな様子の夏美を見て、ギロロは焚き火を始めつつ、桃華とタママの「相談ごと」を話して聞かせた。

「そっか。桃華ちゃん、ポールの喜ぶプレゼントできるといいわね。きっと大丈夫だろうけど」
「ああ、そうだな」
「いつもそばにいてくれる人の大切さって、普段はなかなか気付かなかったりするわよね」
「そうかもしれんな」

焚き火がじんわりと体を温めていく。夏美はじっとギロロを見つめた。

「ねえ、ギロロ」
「何だ」
「‥‥このマッチ。スナック『あけみ』って、何?」

姉と居候宇宙人の間に微妙に不穏な空気が流れている頃、冬樹は桃華の相談を聞いていた。
全てを聞き終わると、彼は少し考えを巡らせた。
西澤さんは、ポールが家族とクリスマスを過ごしてこなかったことをひどく気にしている。だけど、違うんじゃないかな。

「あのさ、西澤さん。ポールには家族がいないって言うけど。僕は、西澤さんはポールの家族だと思うよ」
「あ‥‥」

桃華の表情が明るくなる。

「だから、ポールは今までずっと、家族といっしょのクリスマスを過ごしてきたと思うんだ」
「冬樹くん‥‥」
「西澤さんにとって、ポールは家族じゃない?」
「いいえ、ポールは大切な家族です!ありがとう、冬樹くん。当たり前のことに気付かせてくれて」
「えへへ。でも、クリスマスにポールをびっくりさせるプレゼントをするのは賛成だな。面白そう。僕もいっしょに、いい?」
「ええ!ええ、勿論ですわ!」

   


   

クリスマスイブの夜、静かになった西澤邸の前に立ち、ポール森山は一人、星空を見上げた。

今年の西澤家クリスマスパーティーも無事終えることができた。
各界の要人を始めとするお客は皆満足して帰っていった。
西澤家にとっての密かな最重要人物・日向冬樹も参加して、桃華は楽しい時間を過ごしたはずだ。
自分の役目を果たし、執事・ポールは満足げな笑みを浮かべる。

時間はまだ、ようやく午後6時だった。
イブのこの時間にこうしてのんびりするなんて、いったい何年ぶりのことだろう。
これも桃華お嬢様のおかげだな、とポールは思いを馳せる。

「ねえ、ポール。今年のパーティーは時間を早めてはどうかしら?」
「お嬢様、それはまた何故ですかな?」
「パーティーが終われば、使用人達にクリスマス休暇があげられます。少しでも早く、家族とクリスマスを過ごしてほしいと思いますの」

桃華お嬢様は何と優しい女性に育たれたことだろう。
さすが、このポールが精魂込めてお仕えしてきたお方。いついつまでもおそばにおりますぞ。

ふと、ポールはソルジャーの顔になった。
使用人の大部分が休みをとって、今夜の西澤低は通常では考えられないほど警備が手薄である。
だが、このポールがある限り、曲者が侵入してきたところで逃しはしない。
それに、今夜だけは旦那様と奥様もご在宅だ。ここは鉄壁の要塞ともいえるだろう。

ポールはまた執事の顔に戻り、西澤家の大広間に戻る。

「お帰りなさい、ポール」

扉を開けた瞬間、ポールは思いがけないものを見た。

大広間の真ん中に、およそ西澤家には似つかわしくない、小さなテーブルがセットされていた。
その席には、西澤梅雄・桜華・桃華。

「ポールも早く席についてくださいな」

桃華の笑顔にポールは慌てた。

「お嬢様、これはいったい‥‥?」
「ポールがいないと、家族のクリスマスパーティーが始められませんわ」
「そ、そうですな。只今すぐに私めが給仕を‥‥」

桃華の母・桜華が眉をひそめる。

「おい、ポール。貴様いつからそれほど察しが悪くなった?桃華は『席について』と言っている。とっとと座れ」
「しかし、奥様、私は西澤家の執事。ご家族とともにテーブルにつける身分ではございません」

父・梅雄がフンと鼻で笑う。

「いいから座れ。今年のクリスマスに桃華が望んだことが、ポールといっしょの家族パーティーなのだ」
「旦那さま‥‥」
「どうしても納得がいかんようなら、今この時だけ、おまえを執事の職から解雇しよう」
「で、では給仕はいかがいたしましょう」
「給仕など無くても、我々だけでパーティーを楽しむことくらいできるが、どうやら桃華は助っ人をつれてきたようだぞ?」

「えへへ。今日は僕が執事をやらせてもらいます」

給仕姿で現れたのは、冬樹だった。

「冬樹殿!」
「一度やってみたかったんだ。それにポールさんがびっくりするところも見たかったし」

桃華は、いつもと違う冬樹の姿にうっとりと見惚れている。

「私達も、お手伝いさせてくださいね」

続いて現れたのは、メイド姿の夏美、モア、タママ。
桜華はにやりと笑ってポールを見た。

「それで?まだ何か問題があるのか、ポール?」
「いえ‥‥いえ!とんでもありません。ポールは世界一の果報者でございます!」
「フン、どうやら貴様が桃華から信頼を勝ち得ていることは確からしいな」

「ああ、もう、いいから早く食べましょ、ポール!チキンが冷めてしまいますわ」
「桃華お嬢様、ありがとうございます‥‥!」
「それと、屋敷の周りの警護は、タマちゃんのお友達が皆さんでパトロールしてくださってるから、心配いりませんわ」
「お、お嬢さま~」

男泣きするポールと嬉しそうな桃華を見て、タママも笑顔になった。

「モモッチ、よかったですぅ」

家族パーティーを終え、皆が寝静まった深夜0時。
ポール森山は、自室のベッドの中でまだ胸を熱くしていた。

西澤家の執事で良かった。桃華お嬢様にお仕えして良かった‥‥!
お嬢様、ああ、お嬢様、お嬢様。
ポールはどのように、このご恩をお返しすればよろしいのでしょうか!

「ね、眠れん」

ポールはむくりと起き上がり、部屋の電気をつけた。

「ポ、ポール?」
「見つかっちゃったですぅ!」

何故かそこには、サンタ姿の桃華とタママがいた。

「うわーん、せっかくポールが寝ている間にプレゼントを忍ばせる作戦だったのにですぅ~」
『てんめー、ポール!空気読んで寝てやがれ!!』

「うぉっ、うぉおおじょおぉぉおさぁまぁああぁあ~!!」

『うっとおしいんだよっ!!』

深夜の西澤邸に、男の感激のむせび泣きがいつまでも響いたという。

Merry Christmas, Mr. Paul Moriyama!
聖夜に、少女から愛と感謝を込めて。


FIN



2008年12月に拍手においていたもの。
一度書いてみたかった、桃華とポールのほのぼの話、のつもり。その割にポール最後しか出てこないけど。
桃華やポールメインの原作話、アニメ話を知らずにこれを書いちゃうのはひょっとすると冒険なのかという気がしますが。(桃華とタママの出会いの原作話とか、アニメの「執事の一分」話とか、見てないんですよ)
スナック「あけみ」はアニメにちらっと出てきて面白かったから使いました。
例によって妙にギロロの出番が多いのは、仕様です。(2008.12. 6)

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