妄想劇場 ~別離 III (侵略者の願い)~

(注)捏造撤退ネタ。お好きでない方はスルー推奨であります。「再会」の前の別れの話。





III. 侵略者の願い


つとめて普通の話題のように、俺たちは会話する。
   

「ギロロ。夏美殿にちゃんとお別れの挨拶できたでありますか?」
「‥‥ああ」
「夏美殿、何だって?」
「泣かれた。ひどく泣かれた」
「‥‥やっぱりね。それで?好きだって言えた?」
「言えるもんか」

ケロロはおや、という顔をする。

「初めて、夏美殿に惚れてることを認めたでありますな」
「フン。最後だし‥‥もう、敵同士じゃないしな」
「ま、皆知ってたけどね」

ギロロは苦く笑う。

「俺にとって、夏美や‥‥日向家の連中は特別だった。同じように夏美にとっても、俺たちの存在が特別になっていることは何となくわかっていた。
 それでも、いつものように強気な顔で、『侵略者がいなくなってせいせいするわ』と言ってくれると思ったんだ」
「その方が、楽だった?」
「ああ‥‥あんなふうに、子供みたいにわあわあ泣く夏美を初めて見た。お願いだから行かないで、と‥‥」

行かないで、行かないで、行かないで。何度言われただろう。すがりつく幼子のような涙。

「記憶を消すのだろうと、もう二度と会えないのだろうと言われて、否定できなかった」
「バカだね。ま、赤ダルマは嘘が下手でありますからな」

「ならば貴様は、冬樹に嘘をついて穏やかに別れたというのか?」
「嘘なんかついてないであります!
 いつかきっとまた会いに来るから、それまで、我輩達に関する記憶全てを冬樹殿の中で眠らせておくって、そう言ったのであります」
「やっぱり嘘じゃないか。いつかまた会いに来るなんて‥‥」
「嘘じゃないもん!可能性は0%じゃないであります!」
「‥‥そうだな。0%じゃないな」

だが限りなく0%に近いだろうと思いながら、ギロロは親友に笑いかけた。
こいつがそう言うのなら、きっと可能性はあるのだ。

「それじゃあ、冬樹とは笑ってさよならが言えたんだな」
「うん‥‥冬樹殿は笑ってくれたであります。今まで見たことがないような大人びた顔で。
 わかったよ、軍曹。今までとても楽しかった。ありがとう、元気でね。いつでも戻ってきて。待ってるよって‥‥」
「ケロロ‥‥?」
「初めて見る大人みたいな顔で笑って‥‥‥笑ったまま、静かに涙をこぼしたであります」
「それは‥‥笑ってさよなら、とは言わんぞ」
「うん。‥‥あんな悲しい顔させるつもりじゃなかったのにさ」

「俺も0点だが、貴様も0点だな」
「お別れの点数?ダミだねー、我輩たちは」
「はは‥‥‥ダメだな」
「どうせ他のやつらも0点でありますよ」

そういうケロロは泣き笑いだった。


撤退命令の意味はわからない。これからどうなるかなんてわからない。
願わくばどうか‥‥自分たちから、この甘い記憶が奪われませんように。

そして、侵略者のために涙を流してくれたあの姉弟が、今日も笑顔でいられますように。


FIN


0点コンビ。だけど、何をどう伝えても同じだと思うので、これでいいのだ。
子供みたいにわあわあ泣く夏美と、大人みたいに無理やり笑う冬樹とか、妄想して萌えたんですよ。
ケロロとギロロ、もっとジタバタさせたら良かったな。妙に大人びちゃった。や、あいつら(一応)大人だけどさ。
まあ、ここに至るまででさんざジタバタして、これからケロンに帰って密かにまたジタバタすればいいね。(2009.1.23)

妄想メイツ☆

  • Mosomate

    ケロロ軍曹でいろいろ妄想。楽しいわ~v

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