妄想劇場 ~まさかの話~

マサカコンナコトニナッチマウトハネ銃~!

「何でありますか、それは?」

ここはケロロ小隊秘密基地。
おもちゃのような小さな銃を片手に、クルルは楽しげに笑った。

「御都合主義的結末銃、通称 マサカコンナコトニナッチマウトハネ銃だぜぇ」
「で、それどんな銃なわけ?」

ケロロはワクワクとクルルの説明を促した。

「この銃で撃たれるとだなあ、こいつがランダムに選んだ相手と偶発的に一夜を過ごし、ラブラブハッピーエンドになっちまうという代物だ」

「ほえー。じゃあ、こいつを使ってペコポン人どもがまさかのハッピーエンドで腑抜けになっている間に‥‥」
「侵略完了だぜぇ」
「ゲロゲロリ。これはいけるであります!それでは早速‥‥」
「実験だな」

一瞬、沈黙が落ちた。

「‥‥誰で?」
「そりゃあ、いつものパターンだと‥‥」
「ギ、ギロロはマズイんじゃね?」
「何でだよ」
「ギロロ、怒るでありますよ」
「そんなのいつものことだろ?」
「いや、その、だって、一夜を過ごすっていったい誰と?」
「誰って、ランダム選択だからな。大抵は、まさか‥‥って相手だ」
「まさか‥‥」

何やら複雑な表情を浮かべるケロロを見て、クルルは嫌な笑いを浮かべた。

「どーしたんすか、隊長?ギロロ先輩がまさかの相手とハッピーエンドだと何か問題でも?」
「も、問題っちゅーか‥‥」

ぱややややーん☆

「ゲ、ゲロ? 今、もしかして」
「撃ったぜぇ。ギロロ先輩がダメなら、隊長が責任を持って実験に協力してくれねえとなぁ」
「ちょ、ちょっとーーーーっ!!」

ぱややややーんという妙な音とともに、浴びせられた光線は痛くもかゆくもなかったけれど、ケロロは奇妙な胸騒ぎを感じていた。
これが、まさかの出会いの予感?

「じゃ、明日の朝がお楽しみだな。どういう状況で誰とそーなったか、報告頼むぜぇ」
「い、嫌であります!まさかの相手なんて!」
「ランダム選択とはいえ、ここにずっといるつもりなら、選択肢は俺しかないぜ?」
「お邪魔しましたーっっ!!」

くつくつと可笑しそうに笑うクルルを残して、ケロロはダッシュで逃げ出した。




やべー。やべーよ。
何がやばいのかわからないけど、やばい。

「おい、ケロロ」

迫りくる「まさかの出会い」の瞬間から逃げるべく、ろくに前も見ずにケロロは走った。

「おい‥‥? おいっ!!」

ぶち当たったのは、赤い壁だった。ギロロともいう。

「何をしとるか、貴様っ!」
「ギロロ‥‥」
「いくら呼んでも気が付きやしない。あげくに体当たりで突っ込んできやがる!」
「ご、ごめんギロロ。我輩今取り込み中であります」
「あぁ?」
「一刻も早く誰にも会わない場所に移動しないとマズイんであります!」

ギロロの顔色が変わる。

「敵襲か!」

「へ?」
「しかし隊長である貴様が身を隠してどうなる。貴様の身くらい、俺たちが‥‥俺が守る!」
「‥‥いや、あの、えーと、そーでなくてね?」

かくかくしかじか、こーゆーわけであります。

「バカか、貴様はー!!」

ギロロのかみなりが落ちた。

「いけると思ったんでありますよ~、『ハッピーエンドで侵略』作戦」
「作戦自体もろくでもないが、隊長の貴様が撃たれてどうする!意味がわからん!」
「我輩だって、好きで撃たれたんじゃないでありますよ!」

おまえの身代わりなんだよ、こんちくしょう!‥‥という言葉は飲み込んだ。

「で? まさかの相手どころか、誰にも会わない場所で一晩過ごそうと思ったわけか」
「そゆこと!だから、もう邪魔しないでくれる?」

その場を去ろうとしたケロロの肩をむんずとギロロがつかんだ。

「馬鹿者、そんな初歩的なミスを犯すつもりか」
「は?」
「敵が何者ともわからないこの状況で、わざわざ不慣れな地を戦場に選んでどうするんだ!」
「えーと。敵でもないし戦いでもないよね?」
「同じだ。知り尽くした地で敵を迎え撃てばいい」
「知り尽くした地って‥‥どこよ?」

ギロロは不敵に笑った。

「来い、ケロロ。俺が護衛としてつきあってやる」
「護衛ねえ‥‥」

妙なことになっちまったでありますな。
首をひねりつつも、戦闘モードになったギロロには逆らえず、ケロロは大人しくついていった。




さて、その頃の秘密基地。

「軍曹さーん。いますかぁ?」

やってきたのは、タママ二等兵。
しかし目当てのケロロはいない。いるのは黄色だけだった。

「隊長なら、今さっき帰ったぜぇ」
「そうですか。‥‥‥あれ、曹長さん、その銃は何ですか?」
「くくっ、これかい? ただのオモチャだよ、ガキのオモチャ」
「ああ、どおりでいつもの曹長さんマークがついてないと思ったですぅ」

クルルはおや、というふうにタママの顔を見た。
このガキ、意外と鋭いな。隊長より鋭いぜぇ。

「こいつは、ペコポンのガキ向けの雑誌の付録さ」
「へー。あ、よく見たらそれって、イケイケ戦隊パヤヤンジャーの」
「ピンポーン。パヤヤンパープルの武器だぜぇ」
「何か最近、パープルが人気らしいですぅ」
「ああ、ペコポンのガキには何がウケるかわかりゃしねえな」

そう言いながら、クルルが気まぐれに引き金をひけば、ぱややややーん☆とまぬけな音が鳴り響いた。



「‥‥さて、と」

ラボに戻ったクルルは、いつものようにモニタをONにした。

面白いコト、ねえかな。
そうだ。「まさかの出会い」にびびってる、隊長さんはどこに行ったかね。

いくつものモニタを順にチェックして、とあるポイントで止まったクルルは‥‥
腹を抱えて笑いだした。

「くーっくっくっくー。まさかこんなことになっちまうとはね~」

そこはギロロのテントだった。
入り口前に立ちふさがるギロロ。
どうやら、中にはケロロが入っているらしい。

「ギロロ~。気持ちはありがたいんでありますが、このテントに二人で寝るのはちと狭いであります」
「文句言うな。それに俺はここで一晩中、まさかの敵に備えている」
「ゲロ?あーた、寝ないつもり?」
「朝まで貴様を守りとおせば、ミッションコンプリートだ」

ミッション‥‥‥えーと、そういう話だったかな‥‥。ケロロは首をひねる。

「でも下手すると、我輩、ギロロとまさかのハッピーエンドでありますよ?」
「まさか、んなことあるか!」
「‥‥まあ、そうだよね。んじゃ、守りは任せたであります~」
「おう」

そうか。あのオッサンが一晩中、隊長をまさかの出会いから守り抜くってわけか。
麗しい友情。いや、愛だねえ。

くくーっ、ミイラ取りがミイラになっちゃったりして?
まさかとは思うぜ、まさかとは。
でも‥‥そんなの、わからないだろう?

「あ、ギロロ」
「何だ?」
「まさかの相手がもしかして宇宙アイドル スモモちゃんだったら邪魔しないでね」
「知るか!そんなこと!」

くくっ。おもしれえから、誰か送り込んでみるかな。
トラブル&アクシデントを愛する男、
クルル曹長がいつものように嫌な笑いを浮かべたことは、言うまでもないだろう。


FIN


「カエル注意報」2周年おめでとうございますーの気持ちで書いてみた話。
ギロケロメインのつもりが、クルル大活躍!私にはよくあることです。
クルルが誰を送り込んだかは、どうぞお好みでご想像ください。(2009.4.25)

妄想メイツ☆

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