妄想劇場 ~ケーキと芋と~

アニメ第350話「秋vsネコ 異種格闘技戦!であります」が元ネタです。ご覧になってない方には、ネタバレ、というより意味不明です。すみません!



「それにしても、何でこの子、ママのことを地下に連れ出したのかしら?」
「いや、あの、それは…」
「そっか!ケーキが2個しかないから、ギロロの分のケーキを守ったのね。ギロロ思い~!」
その発言に「ヒトの気も知らにゃいで…!」とばかりに、ネコは夏美の足をひっかいた。
自分が守ろうとしたのは、ギロロのケーキじゃない。ギロロと、この鈍感女の二人きりのティータイムだ。
全くこの女はわかっちゃいない。

「あいた~」
「おい、大丈夫か?」
「んもぉ、どうして私ってネコちゃんに嫌われてるのかなあ」
「とりあえず、その傷を消毒してきたらどうだ」
「大丈夫よ、大したことないから。それにネコちゃんにひっかかれたなんて言ったら、せっかく仲良くなったのに、またママの動物嫌いがひどくなっちゃう」
「いや……あれ以上は、ひどくなりようがないだろう」
ギロロは先ほどまでの秋とネコとの壮絶なバトルを思い出していた。
先にちょっかいを出したのはネコとはいえ、ネコ相手にまさか銃器連発とは…。恐怖は人を容赦なくするものだ。

「でもさ。ママが帰ってきたからって、お茶に誘っておいてギロロのケーキを取り上げたりしないわよ、私」
「そうなのか…?」
いささか疑わしそうにギロロは夏美を見る。
彼女の中で、俺より母親の存在の方が重いのはわかりきったことのように思えるが。
「だが、それでは秋の分のケーキが無いではないか」
「それは別に…私の分のケーキをママと二人で分けるとか」
「ふむ…」
「あ、でもギロロはあんまり甘いもの好きじゃないのよね。
 じゃあ、私のケーキをママにあげて、アンタとケーキを半分こしてもよかったかもね」
「半分こ…だと…?」

その甘い響きとともに、妄想ティータイムがスタートする。
「はい、ギロロの分。あーんv」
「あ、あーん」
「じゃあ、今度は私に食べさせてね」
「よし、夏美の分だ。あーん」
「あーんv」
「てっぺんの苺は夏美にやろう」
「あぁん、ギロロ優しい。ダ・イ・ス・キ」

「…って、そんなわけあるかーっ!!」

あまりに甘すぎる自分の妄想に自分でツッコミを入れて強制終了させる。
肩で息をするギロロを夏美はきょとんと見つめた。
「何よ、急に。そんなわけあるかって…」
「いや、だから、その…だな!」
その様子を横目でちらりと見たネコは呆れたようにため息をついた。
「お、おまえ、ケーキ好きだろう!半分じゃ足らんのじゃないか?」
「やーね、人のこと食いしん坊みたいに」
「事実だろう」
「足らなきゃ、ギロロにお芋焼いてもらえばいいかなって」
「芋?」
「本当にアンタの焼くお芋って美味しいわよね。まさに黄金色で火の通りも完璧…」
「そ、それくらい当然だ」
「あー、何かお芋の話してたら食べたくなってきちゃった。ね、お芋焼いて?」
「…あ?かまわんが、おまえ今、ケーキまるまる一つ食べたよな?」
「細かいこと、気にしないの」


焚き火の前に二つの影。
ネコは満足そうにそれを見ていた。自分のした苦労は、そう無駄でもなかったらしい。
パチパチとはぜる火の前でほかほかの焼き芋を頬張りながら、夏美がぽつりと言った。
「こんなことしてるのも、あと少しかなあ」
「あと少し…?どういう意味だ」
「寒さも和らいできたし、焚き火や焼き芋の季節もそろそろ終わりでしょ」
「俺は別に、暖かくなろうが、暑くなろうが、焚き火はするし、芋も焼くぞ」
…おまえが望むならな、という言葉は口に出さずにおいた。
「ふふ、そうね。ギロロは変わらないわね。どんな季節も。どんな時も」
「悪いか?」
「悪かないわよ」
変わらないのも、そう悪くないわよ。
あんまり素直に返されて、どんな顔をしていいかわからない。
「あ、でも真夏の焚き火はほどほどにしてよね」
「お…俺の勝手だ!」
言い返して、ホッとする。
「…ほら。もう一つ焼けたぞ。食べごろだ」
「ありがと。でも、さすがにもう一個は食べられないかなあ」
「…秋に持っていってやれ」
「そっか。ギロロ、ありがと!」
夏美は嬉しそうに焼きたての芋を抱えると、母親のもとへと走っていった。

「ニァン…?」
もう少し二人の時間を過ごしたっていいだろうに…と、赤い背中に問いかけるようにネコが鳴く。
だが、自分の主人はそういう男なのだ。
そういうところが、ギロロのいいところにゃ…。
一人になったギロロの足下にすりすりと身を寄せると、そのままネコはそこで丸くなった。
「今日はすまなかったな、ネコ」
主人にやわらかく撫でられながら、ネコは満足げにごろごろと喉を鳴らした。

FIN


さらにオマケ(ケーキの理由?)

ケーキと秋とネコとの騒ぎをどこからか聞きつけた緑の男は、仲間はずれにされた幼児のようにふくれて、夏美を問いつめていた。

「夏美殿?何で我輩じゃなくて赤ダルマにケーキ?何で?何でよ!」
「うっるさいわねー、2個しかなかったんだから、しょーがないでしょ!」
「だから、何でせっせと家事労働してる我輩じゃなくて、あそこで銃磨いてるだけのギロロでありますか!」
「あんたは遊びに出かけてたでしょーが」
「だって、だって、冬樹殿ならまだしも…」
半泣きでじたばたと駄々をこねる姿は、一個小隊の隊長にはとても見えなかった。
「冬樹も出かけてたの!一人で食べるのも気が引けたから…」
「それにしちゃ、機嫌良くハーブティーなんて用意しちゃってさ!」
「な・ん・で、そんなことまで知ってるのよ!」
「ひてててて!暴力反対であります!我輩はただ、納得のいく説明が欲しいだけであります!」

頭痛い…夏美はため息をついた。

「はあ……わかったわよ。じゃあよーくわかるように説明してあげる」
「ええ、ええ、聞こうじゃありませんか?」
「あのケーキの上にはね、赤い苺がのってたの。だからギロロに、赤いヤツにあげたの」
「え?それだけ?」
「そーよ?」

思いがけない説明にケロロはぽかんとする。

「それじゃあ、ケーキの上にのってたのがもし…」
「もし緑のスターフルーツなら、あんたにあげたわよ」
「うぉおおお、納得!納得であります!そういうことなら、次回のスターフルーツ添えケーキの時はよろしくであります!」
「はいはい」

機嫌良くスキップで去っていくケロロを見送りながら、それまでずーっと黙って様子を見ていた賢い弟は、姉に言った。

「姉ちゃん、僕、スターフルーツののったショートケーキなんて見たことないけど?」
「そんなもん、私だって見たことないわよ」
「…だよね」

その時、扉の影から、ひょいと黄色い男が顔を出した。

「…クルル?」
「おいおい、日向夏美。するってーと、アレか?もしケーキにのってたのが黄色い伊達巻きだったら…」
「ええ、ええ!あんたにあげましたとも!」
半ばヤケクソで夏美が叫ぶ。
「くくーっ、納得だぜぇ…」

いつものように怪しげな笑いを残して、クルルも部屋を後にする。
伊達巻き添えのケーキでクルルとティータイム中の姉を想像して、思わず冬樹は吹き出した。
「姉ちゃん、もてるね」
「んもー、勘弁してよ!」

何の話題か知らないが、仲良さそうに談笑する姉弟を見て、赤い男は庭でくすりと笑った。

今度こそFIN


秋ママとネコちゃんの勝負より、夏美がギロロをお茶に誘った事実にしか目がいってません。
何で弟にとっておかないでギロロ?お家デートですか!
妄想とハードボイルドの狭間で戦っている男・ギロロ。私もネコちゃんのように応援してあげたいと思います。
オマケ話の方は、もう何が何やら……カオスですみません。私が書くものにしては珍しくナッチーもてもて。
ちなみにドロロは天井裏で「じゃあ、ケーキにのってたのが青海苔だったら夏美殿は拙者を?」とかワクテカしてたり。
勿論すぐさま「ドロロ、ぶっちゃけ青海苔って緑色じゃね?」とか「それ以前の問題ですぅ〜」とか容赦ないツッコミが入るでしょうw(2011.2.14)


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